『プレインジャパニーズ』とは

プレインジャパニーズは、ISOプレインランゲージのガイドラインに則った世界基準のコミュニケーション法です。
プレインジャパニーズを用いたコミュニケーションは、簡潔さと明瞭さを重視することで、情報の過剰な複雑化を避け、効率的かつ効果的なコミュニケーションを実現します。そして、個人、チーム、組織レベルでの生産性の向上に大きく貢献します。
以下にポイントを説明します。

1. 明瞭で効率的

1.1 情報の整理と明確化
プレインジャパニーズは情報を簡潔かつ明瞭に伝えます。不必要な装飾や複雑な表現を排除して情報の過剰な複雑化を避ければ、読者はメッセージの核心を速やかに把握できます。

1.2 迅速な意思決定
シンプルで明確なコミュニケーションによって読者の誤解を減らして、意思決定プロセスを迅速化します。技術進歩に伴う市場環境の変化が目覚ましい時代に、意思決定の迅速さは大きな利点です。

2       アクセス性の向上

2.1 多様な参加者への配慮
プレインジャパニーズは、日本語を母国語としない人や日本語学習者にとっても理解しやすいため、幅広い背景を持つ人々が情報にアクセスしやすくなります。より多様な視点を持つ人々がチームや組織に参加して、コミュニケーションを通じて創造性が促進されます。

2.2 参加しやすい環境の提供
言語表現が障壁とならないので、より多くの人が議論に参加しやすくなります。これによってチームメンバーは仕事に前向きになり、チームワークの質が向上します。

3       学習と成長

3.1 教育と自己啓発の促進
日本語学習者を含め、プレインジャパニーズは理解しやすいため、個人の学習プロセスと成長に寄与します。それによって、チームや組織レベルでの知識ベースの拡大が促されます。


『やさしい日本語』
やさしい日本語は、日本語を母国語としない外国人観光客や日本語を学んでいる外国人に簡易な表現や文の構造を簡単にし、漢字にふりがなを振るなどして、日本語に不慣れな外国人や言葉に不自由な人にもわかりやすくした日本語です。


プレインランゲージとは

「速く」「効率的」「理解しやすい」伝達法
プレインランゲージ(プレインイングリッシュ、プレインジャパニーズなど)とは、「速く」読め、「効率的」にポイントを見つけることができ、そのポイントを「理解しやすい」、一言でいえば「読みやすい」文章を書くためのガイドを体系的にまとめた情報伝達術です。
読みやすい文書は、読者のストレスを軽減します。イメージとしては、会話と同じリズムでスムーズに読め、内容がダイレクトに頭に入る次のような文章です。

  • visually inviting:まず読んでみようと視覚的に思わせるレイアウトになっている
  • logically organized:読者に必要な情報が論理的にわかりやすく整理されている
  • understandable on the first reading:一読して理解できる
  • in simple word:一般的に使用する平易な言葉で表現されている

プレインランゲージのメリット

Plain Language (Plain English)

欧米を中心に、オンライン上の規制や法整備も2014年から進んでおります。その多くに、プレインランゲージによる明確な説明責任を果たすことが記されています。
ビジネスにおいても、サステナビリティやESG(環境・社会・ガバナンス)投資への取り組みにおいて、明確・公正・透明性のある対話が求められています。

イギリス政府:公正取引局、政府機関
1979年:特定の消費者契約をPlain English  を採用、以降、地方自治体、厚生サービス、金融機関にも普及が進む、採用される

カナダ政府
「市民とのコミュニケーションに必ずPlain Languageを使用する」と宣言(2012年)

オーストラリア政府:州政府・法律専門家
所得税、交通安全に関する法律をPlain Languageで表記

フィンランド政府
所得税、交通安全に関する全ての法律、総務省は市民とのコミュニケーションにおいてPlain Languageを採用(2011年)

ノルウェー政府
「公的サービスにおけるPlain Languageの使用」プログラムを開始(2009年)

EC(独、仏、蘭、西他)

情報を読みやすく理解しやすくするためのヨーロッパ規格(2014年)Plain Languageを採用

個人情報保護法、「オンライン・プラットフォーム」(2016年)Plain Languageを奨励

ニュージーランド政府
プレインランゲージ法案の提出(2017年)

南アフリカ共和国政府法令
消費者とのコミュニケーションにPlain Languageの使用を義務付ける(1998年、2008年)

フィリピン政府
政府文書にPlain Languageの採用を求める法案「Senate Bill 1911」提出(2020年)

日本のプレインジャパニーズの動向

2018年から各省庁で法令や規則に『明確で平易に表現』することを記し、説明責任を果たすことを奨励しています。

厚生労働省

臨床研究法施行規則
再生医療等製品の臨床試験の実施の基準に関する省令
職業安定法

「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法案」閣議決定

金融庁

「記述情報の開示に関する原則」(平成31年3月)
金融商品取引業者等向けの総合的監督指針
保険会社向けの総合的な監督指針
主要行等向けの総合的な監督指針

消費者庁

「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法案」閣議決定