新型コロナウイルスのパンデミックによりビジネスプロセスのデジタル化が加速しています。デジタイゼーションを成功させるためには、企業はプロセスを変えるだけでなく、考え方を変えることが求められています。
エコシステム全体を考慮する視点
従来の「バリュークリエーション(価値創造)」では、自社のみが生み出す価値について語られることが一般的でした。しかしデジタイゼーションを実現するためには、外部パートナーのプラットフォームやノウハウを活用する必要があります。そのため、自社の利益を追い求めるだけでなく、自社を取り巻くエコシステム全体の利益を考えることが求められています。
1社だけで作り出す価値を過度に重視するのではなく、外部のリソースを集結させて価値を生み出すという考え方です。
消費するのではなく価値を提供する
この新しいトレンドの中で外部とのパートナーシップを確立するためには、消費するリソース以上の価値をパートナー企業に提供することにあります。搾取してしまうと、パートナー企業は離れていき、エコシステムが衰弱していきます。パートナー企業から受ける恩恵以上の価値を提供することが、自社のエコシステムの繁栄につながるのです。
パートナー企業の価値創出をサポートする
従来の物づくりの焦点は製品でした。その上で、製品レベルで利益を生み出すために、コストよりも高い売価を設定することで利益を得ていました。そこから発展し、製品を通じて生み出す価値が重視されるようになりました。デジタイゼーションが進むに伴い、「どのように価値を生み出すのか」からさらに発展し、「エコシステムの一員であるパートナー企業が価値を生み出すためのサポート」を提供して価値を創出するという考え方が主流になってきています。