日常的な単語や表現を使う~実践~

本メールマガジンではプレインイングリッシュの重要性やポイントをご紹介してまいりました。

公文書でのプレインイングリッシュの使用が義務付けられているアメリカ。「効率的に要点をつかめ、速く読め、理解しやすい」プレインイングリッシュによって多方面でその効果を発揮しています。

過去、アメリカ退役軍人省の障害年金受給案内にてプレインイングリッシュの導入前後でひとりの担当者に対し問合せ案件が94件から16件に減少したという報告も出ています。業務効率の向上、市民のストレスの軽減につながりました。

使うことで様々なメリットがあるプレインイングリッシュ。今回はより具体的にプレインイングリッシュに触れることができるリストをご紹介いたします。

Use simple words and phrases (plainlanguage.gov)

このサイトではプレインイングリッシュとして推奨される単語・句240個のリストがあります。また、使用しないほうがよい表現も併せて記載されています。Don’t say/Sayとして区分されており、ご自身が作成した英文を検証することが可能です。

リストから一部抜粋

Don’t say Say日本語訳
equitablefair公平な、公正な
expirationend〔契約などの〕終了、満了、満期
frequentlyoften頻繁に
in the amount offor~の量の
maintainkeep, support〔動作を〕持続[継続]する、
〔現状を悪化させないように〕保つ

作成した英文や日頃使っている単語とリストを照らし合わせてみては、いかがでしょうか。

  • 予想以上にDon’t’ sayの単語を多く使っていた。
  • Don’t Say/Sayを比較してSayの単語はスッと理解できた。

などのさまざまな発見があったかもしれません。

プレインイングリッシュの大切なポイントは理解したけれども、実践するとなると難しい。そんな皆様はぜひリストを参照しDon’t SayをSayに置き換えて使ってみることから始めてみましょう!


出典:
『アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア 政府公認
伝わる短い英語 新しい世界基準 Plain English』
浅井満知子著(東洋経済新報社)
plainlanguage.gov(An official website of the United States government)
Home (plainlanguage.gov)

注目されるパーパス経営

ESG時代に企業の存在意義を明文化する

収益性だけでなく、社会的・環境的責任や透明性、アカウンタビリティを果たすことを求められる時代に、パーパス経営への注目が高まっています。

パーパス経営では、パーパス・ステートメントを通じて企業の存在意義を明確に表明し、その存在意義に沿った製品やサービスの提供、職場文化の醸成、コミュニティへの参加などを通じて、世界にポジティブな影響を与える存在を目指します。

パーパスとミッションの違いは?

パーパス以外にもミッション、ビジョン、バリューなど、意味が似たような言葉がありますが、実は違いがあります。

  • パーパス:企業の存在意義(WHY)
  • ミッション;何をする組織なのか(WHAT)
  • ビジョン:組織が目指すところ(WHERE)
  • バリュー:どのように運営するのか(HOW)

パーパスは、ミッションをさらに掘り下げた、社会の中での存在意義といえます。

パーパス経営がビジネスに与える影響

パーパス経営を通じたポジティブな影響に関して、多くの調査が行われており、次のことが分かっています。

  • 従業員のエンゲージメントや生産性の向上
  • 顧客ロイヤルティと支払い意欲の向上
  • 競争優位性
  • 景気後退の影響を受けにくい
  • 変化する市場において、求められ続ける
  • 収益成長率、利益率、株主還元などの財務パフォーマンスの向上

パーパス経営の基本

では、パーパス志向の企業文化を生み出すにはどうすればよいのでしょうか?

  1. 明確なパーパス意識をもつ:ビジネスの存在意義や、世界に対してどのような影響を与えたいのかを明らかにします。
  2. パーパス・ステートメントを作成し、企業の存在意義を明文化する:このプロセスで従業員を巻き込むことが、従業員のエンゲージメントの向上に大きく関係します。
  3. パーパスを可視化する:従業員、顧客、その他のステークホルダーにパーパスを理解してもらいます。
  4. パーパスを実践する:達成するための計画を立て、実行します。

パーパス経営は継続的なプロセスです。パーパス達成に向けた会社の進捗状況を定期的に確認し、軌道修正することが重要になります。

漢字表記とひらがな表記

文章を書くうえで漢字表記にしようか、ひらがな表記にしようか、迷った経験はありませんか?
一つの文章の中で、同じ意味なのに複数の表記が混在していると、読み手に正確な情報が伝わりにくくなってしまいます。

文化庁では、公用文における基準を定めた『公用文作成の要領(公用文改善の趣旨徹底について)』が昭和26年に作成され、令和4年1月11日の新たな内容の周知により、公用文作成の考え方が改められました。

そこで、今回は『公用文作成の考え方』等を参考に、漢字表記とひらがな表記の推奨例をご紹介いたします。


ひらがな推奨
①常用漢字でないもの(固有名詞は対象外)
(例)飴→あめ 繋ぐ→つなぐ 馴れる→なれる 捧げる→ささげる

②補助動詞・補助形容詞
(例)~(し)て行く→ていく ~(し)て頂く→ていただく ~(し)て下さる→てくださる

③接続詞
(例)且つ→かつ 従って→したがって 但し→ただし 又→また 尚→なお

※文章の内容によっては漢字が推奨されている接続詞もあります。
(例)及び 並びに 又は 若しくは

④助詞
(例)位→くらい 程→ほど 等→など(「等」は「とう」と読むときに用いる。)

漢字推奨
①副詞は漢字で書く
(例)余りに 恐らく 既に 更に 例えば 一旦 全く


今回ご紹介したものは一例で、必ずそうでなくてはならないというわけではありません。
一般的に一つの文章の中で「漢字30%:ひらがな70%」の割合が読みやすい文章と言われています。

使い分けを意識することで、読み手にとって読みやすい、伝わりやすい文章を目指してみてはいかがでしょうか。

出典
公用文作成の考え方(建議) (付)「公用文作成の考え方(文化審議会建議)」解説
公⽤⽂における漢字使⽤等について