ネイティブが実践しているプレイン・イングリッシュ

プレイン・イングリッシュは欧米の官公庁やビジネスで広く使われていますが、実際にどのように実践されているのでしょうか。
会計士、弁護士、会社経営者などネイティブのかたの具体的な実践方法を下記サイトからご覧いただけます。ぜひご参考になさってください。

https://jpelc.org/opinion/

1) 効率的に伝えるために、明確かつ簡潔に書くことが重要
Don Nishio, CPA

2) 簡潔、明確に書くことで円滑なコミュニケーションが可能に
Darcy Kishida, Attorney-at-Law with Kojima Law Offices (Tokyo, Japan) (licensed in New York, Washington, D.C., and Hawaii)

3) プレイン・イングリッシュは最強のコミュニケーションツール
Andrew Silberman, AMT Group, K. K. President & Chief Enthusiast 慶應義塾大学 客員教授

4) 法律用語をきっかけに世界中の言語の平易化・標準化が進行中
Kyal Hill, Clarity日本代表 弁護士(オーストラリア、ニューサウスウェールズ州)

コロナ時代のコミュニケーション

▼ プレイン・ランゲージで信頼を獲得する
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情報発信の要となるのは信頼です。
クライシス・コミュニケーションにおいて、
信頼が大切であることはIRを担当される皆様は
特に実感されているのではないでしょうか。
そして信頼が重要なのはビジネス以外での
クライシス・コミュニケーションにおいても同様です。

コロナパンデミックの中、世界中の多くの人たちが
国や地方政府の公式発表に日々注目しています。
このような発表で国民に外出しないことを要請する場合も、
発信者への信頼があるかどうかで、
オーディエンスの反応は大きく変わってきます。

プレイン・ランゲージはクライシス・コミュニケーションや
それ以外の情報発信においても、信頼を確立して、
その信頼を維持して深めていくために大きく役立ちます。
今回のパンデミックにおける情報発信でプレイン・ランゲージの
視点からみて成功しているケースとしては
米ニューヨーク州知事クオモ氏が挙げられます。
(英語リンク:https://m.youtube.com/watch?v=XILgJklmeVE)

▼ クライシス・コミュニケーション成功のカギ
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コミュニケーションを成功させるには、
プレイン・イングリッシュを使って次の7つの原則を守ることが役立ちます。

  1. 真実を伝える
  2. 厳しい現実を曖昧に伝えない。また、実際よりも良く見せようとしない。
  3. 意見と事実を確実に区別する。意見も事実も重要な情報ではありますが、
    この2つを区別して発信することは信頼を得るにあたり重要です。
  4. 人間性を見せる。オーディエンスに難しいことを頼む場合、
    発信者の人間性、ストーリー、弱さを見せることで、
    信頼をもたらすことができます。
  5. 予測できるオーディエンスのリアクション、ポイント、反感、
    抵抗、反対意見を表明する。
  6. シンプルな言葉を使う。今回英語圏で使用されている
    「Stay at home. Stay safe.(家にいる。安全でいる。)」が好例です。
    覚えやすく、影響力も高くなります。
  7. 表などで情報を切り取って表現する場合、その理由を説明する。
    例えば、1日の傾向ではなくて3日の平均を見る場合などは
    その理由を説明する。

プレイン・ランゲージ(平易な言語)とは

以前に比べて日本でもプレイン・イングリッシュについて
注目度が上がってきました。少し前の資料ですが金融審議会
「ディスクロージャーワーキンググループ報告」(2018年6月)
でもわかりやすい開示という点において、
プレイン・イングリッシュの概念が参考として記載されています。

『(略)米国では、SEC(米国証券取引員会)が、平易な言葉で
明確、簡潔に、整然とした構成で記載すべきという
“Plain English”の概念を、一部の非財務情報に適用している。
また、英国では、FRC(英国財務報告評議会)が、適切で容易に
理解可能な情報が投資家に提供されることを目的として、2015年に
“Clear & Concise”を公表し、優れた開示の実例を紹介している。』

そしてプレイン・イングリッシュと同様に注目されている考え方
としてプレイン・ランゲージ(平易な言語)があります。
基本的な考え方はプレイン・イングリッシュと同じですが、
英語に限らず他の言語でも、読者ができるだけ迅速、容易に
そして完全に内容を理解できるように書く手法です。
提供しているサービスや制度が利用しやすいように公的機関は
プレイン・ランゲージを使うように法律で定めている国もあります。
またWHO(世界保健機関)では効率的なコミュニケーションのために、
プレイン・ランゲージの使用を原則としています。

日本でも今後さらに外国人が増えるにあたり平易な日本語への
取組みが進んでいます。
いずれもコミュニケーションの円滑化、生産性の向上を目標としており、
世界的に意識が高まっている取組みといえます。

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◆ 参考・出典一覧
https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20180628/01.pdf