メールでのプレインイングリッシュ活用法

効果的な英文メールを作成するための心得とは?

海外の方とやり取りを行う際、日本語で文章を書いて、機械翻訳に掛け、いざチェックをしてみると、「何が言いたいか分かりづらい!」と思うことはありませんか。

日本語と英語は言語の性質が異なります。このため、日本人を相手に書く日本語をそのまま直訳しても相手に理解されなかったり、メールの内容を最後まで読んでもらえなかったりすることは多々あります。

原因として考えられる点は次の3つです。

  1. 伝えたいメッセージが整理されていない
  2. 文章が複雑/遠まわしな表現で分かりにくい
  3. 文字がぎっしり詰まって、読む気が起きない

では、どのようにしたら相手に容易に理解してもらい、行動を促すことができるでしょうか。

実は、効果的な英文メール作成の心得として次の3点があります。

  1. 伝えたい内容を整理する
  2. 簡潔で分かりやすい英文にする
  3. タイトルやレイアウトを工夫する

今日はこの心得のうち、最も重要なポイントである内容の整理について解説します。

内容の整理とは?

メールの目的を把握しましょう。次に、読み手/書き手にどのようなアクションを起こして欲しいのか、具体的に設定しましょう。

5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)の観点で整理すると漏れなくダブりなく情報を伝達できます。

日本語は特に「誰が」である主語が抜けがちです。主語が抜けていると機械翻訳を使った場合でも、誤訳に繋がります。

目的と5W1Hを意識することで、効率的なメールを作成できます。ぜひ実践してみてください!

AI翻訳のリスクと使い方を考える

皆さんは普段、AI翻訳をよく利用されていますか?
近年では文字を入力して翻訳するツールだけでなく、写真や音声での翻訳など数多くのツールが存在します。世界中では100以上の翻訳エンジンがあるとも言われ、私たちの生活の中にもかなり馴染んできているのではないでしょうか。

今回はそんなAI翻訳のリスクと使い方のコツをご紹介したいと思います。

個人情報漏洩のリスクに備える

社名や部署名、個人名などをそのまま翻訳ツールに入力していませんか。
私たちが入力したテキストとその翻訳結果は、そのほとんどがAI翻訳の精度向上のための蓄積データとして使用されます。情報漏洩のリスク回避のためにも、翻訳するテキスト内の固有名詞や機密情報の有無については十分注意する必要があります。

主語、述語を明確にする

日本語は 主語や述語を省略することが多くあります。それにより、「だれが」「何をしたか」という翻訳時に必要な情報が曖昧になり、誤訳となる可能性が高まります。日本語の文章をそのまま翻訳するのではなく、必要な情報を補いながらも、短い文章やシンプルな表現にすることで誤訳を招くリスクを軽減できます。

「人の言葉」であるネイティブ翻訳者も活用する

使い勝手も精度も向上が進むAI翻訳ですが、文章の文脈や背景、そのニュアンスなどを考慮するまでの技術はまだ持ち合わせておりません。また、上記のポイントに気を付けていても逐語的、機械的な文章を避けることはなかなかできません。
社内に展開したり、社外向けに発信する文書については是非、「人の言葉」であるネイティブ翻訳者の技術に頼ってみるのはいかがでしょうか?

英文の表やグラフ内での記号表記について

近年、決算短信や説明会資料だけでなく、有価証券報告書や統合報告書などのIR資料も英文開示の必要性が高まってきています。
その中で、日本語にはあって、英語にはない表現が見受けられます。例えば、マイナス表記です。日本語では、△で表現されますが、英語では括弧などで表現されます。本文では、表やグラフの表現について表記の違いについてみていきましょう。

記号表記の違い

日本語で開示された文書をみてみると、視覚的に正誤を表す記号「◎」、「〇」、「×」などで表現されていることがあります。日本人にとって、「◎」=非常に良い、「〇」=良い、正しい意味、「×」=悪い、誤った意味というように、視覚的に一目ですぐ理解ができます。

一方で、英語話者にとっては、どうでしょうか。
英語では、良い、正しい意味の場合「✓」で表現し、反対に、悪い、間違いなどの意味の場合は、「×」のほかに「-」を使用し表現することもあります。
そのため、英訳をする場合には、文書だけではなく、表内の記号についても上記のように、置き換えるなど表現の工夫が必要です。
また、記号ではなくとも資料の内容によっては、「High」や「Low」など単語で置き換えることで、読者の理解を仰ぐ表現も可能です。

文章のみならず、誤解のない文書とするために表内の記号の表現にも工夫することや、気を付ける必要があります。