意外と知らない欧文組版

統合報告書などの英語版制作のお問い合わせが近年増えてきています。
英語版制作で意識したい組版についてご紹介します。

組版とは、印刷の一工程で、文字や図版などの要素を配置し、紙面を構成することです。欧文組版では、アメリカ英語はシカゴルールに、イギリス英語はオックスフォードルールに従うのが一般的です。

和文からミラー版で英語版を制作する際によく使ってしまうのが丸数字(①など)です。これは全角文字で、日本特有の表記となりますので、英文では使用しません。
①は1.、(1)、1)などの表記に置き換えるようにしましょう。

レイアウトの形式は主に2種類、箱組(両端揃え)と頭揃え(左揃え)があります。
日本語では各行の左右が揃い、見栄えがよくなる箱組のレイアウトを使いますが、英文読者にとっては頭揃えのレイアウトの方が読みやすくなります。英文で箱組を使用すると、単語と単語の間が広くあいてしまったり、逆に狭くなったりします。英文読者は単語単位で内容を認識するため、単語間のスペースが統一される頭揃えの方がストレスなく読み進めることができます。

今回ご紹介したのは欧文組版の一例となりますが、このようなルールを意識して英語版を制作されることをお勧めいたします。

意外と知らない英語の数字ルールとは?

最近、お客様からウェブサイトの翻訳のご依頼をいただいた際に、
英語の数字表記についてご質問がありましたのでご紹介いたします。

英語の数字表記にはさまざまなガイドラインがありますが、
一般的に下記のようなルールがあります。

【Rule 1】1から9までの数字は、文章中では数字を使わず、アルファベットで表記します。
○:I need two documents.

【Rule 2】10以上の数字は文章中では数字で表記します。
○:I need 10 documents.

※イギリス英語のルールでは、1から10までの数字をアルファベットで表記します。
11以上の数字は数字で表記します。

【Rule 3】10以上の数でも文頭にくる場合はスペルアウトします。
○:Ten documents are needed.

【Rule 4】1つのセンテンスで同列的に2つ以上の数を用いるときは、
数字またはスペルアウトを統一します。
○:I asked for 2 sets, not 20.

いかがでしたでしょうか。
一見すると、数字表記の統一がされていないように思われるかもしれませんが
上記のようなルールを考慮しながら翻訳を行っております。
今後の参考になりますと幸いです。

字幕翻訳:普通の翻訳より難しいのはなぜ?

映画やインタビューなどの動画を見ていて、セリフと字幕が違うと思ったことはありませんか。「翻訳の漏れ?間違い?」と疑問に思った方が多いのではないでしょうか。

字幕翻訳は普通の翻訳と比べて難易度が高いとよく言われますが、それはなぜでしょうか。そこで字幕翻訳の基本ルールをいくつ紹介したいと思います。

① 文字数制限と表記ルールを遵守する

動画を見るときに、人が1秒間に読める文字数はおおよそ4文字と言われています。動画の1コマの尺の長さは最大で7秒くらいまでとなるため、画面に表示される文字数は最大28文字です。2行に分けた場合はそれぞれ14文字となります。限られた時間内で一番大事な情報を伝えるために、直訳より意訳のほうが字幕翻訳によく使われます。また、字幕は文字で情報を伝達することを優先しますので、基本的に文中や文末の句読点は不要で、代わりにスペースや改行を使います。

② 視聴者の文化背景を意識する

オリジナル動画は基本的に母国話者に向けて作られているため、そのまま訳しても、異なる文化背景の人にとっては意味が通じないことがよくあります。その場合、視聴者に分かりやすい表現に変えるか、補足説明を入れることが効果的です。

③ 一貫性を重視する

字幕翻訳をする際には、一通り映像を見て流れを把握してから翻訳を開始することをおすすめします。特にストーリーの伏線が張られている映像に関しては前後の用語と言い回しの統一が求められるので、全体像を理解した上で翻訳すれば、より正確で表現力の高い字幕となるでしょう。

弊社では会社の紹介動画や研修・セミナーなどで使われている動画の翻訳を多数対応しておりますので、もし字幕の翻訳に悩まれている方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご相談ください!