注目されるパーパス経営

ESG時代に企業の存在意義を明文化する

収益性だけでなく、社会的・環境的責任や透明性、アカウンタビリティを果たすことを求められる時代に、パーパス経営への注目が高まっています。

パーパス経営では、パーパス・ステートメントを通じて企業の存在意義を明確に表明し、その存在意義に沿った製品やサービスの提供、職場文化の醸成、コミュニティへの参加などを通じて、世界にポジティブな影響を与える存在を目指します。

パーパスとミッションの違いは?

パーパス以外にもミッション、ビジョン、バリューなど、意味が似たような言葉がありますが、実は違いがあります。

  • パーパス:企業の存在意義(WHY)
  • ミッション;何をする組織なのか(WHAT)
  • ビジョン:組織が目指すところ(WHERE)
  • バリュー:どのように運営するのか(HOW)

パーパスは、ミッションをさらに掘り下げた、社会の中での存在意義といえます。

パーパス経営がビジネスに与える影響

パーパス経営を通じたポジティブな影響に関して、多くの調査が行われており、次のことが分かっています。

  • 従業員のエンゲージメントや生産性の向上
  • 顧客ロイヤルティと支払い意欲の向上
  • 競争優位性
  • 景気後退の影響を受けにくい
  • 変化する市場において、求められ続ける
  • 収益成長率、利益率、株主還元などの財務パフォーマンスの向上

パーパス経営の基本

では、パーパス志向の企業文化を生み出すにはどうすればよいのでしょうか?

  1. 明確なパーパス意識をもつ:ビジネスの存在意義や、世界に対してどのような影響を与えたいのかを明らかにします。
  2. パーパス・ステートメントを作成し、企業の存在意義を明文化する:このプロセスで従業員を巻き込むことが、従業員のエンゲージメントの向上に大きく関係します。
  3. パーパスを可視化する:従業員、顧客、その他のステークホルダーにパーパスを理解してもらいます。
  4. パーパスを実践する:達成するための計画を立て、実行します。

パーパス経営は継続的なプロセスです。パーパス達成に向けた会社の進捗状況を定期的に確認し、軌道修正することが重要になります。

漢字表記とひらがな表記

文章を書くうえで漢字表記にしようか、ひらがな表記にしようか、迷った経験はありませんか?
一つの文章の中で、同じ意味なのに複数の表記が混在していると、読み手に正確な情報が伝わりにくくなってしまいます。

文化庁では、公用文における基準を定めた『公用文作成の要領(公用文改善の趣旨徹底について)』が昭和26年に作成され、令和4年1月11日の新たな内容の周知により、公用文作成の考え方が改められました。

そこで、今回は『公用文作成の考え方』等を参考に、漢字表記とひらがな表記の推奨例をご紹介いたします。


ひらがな推奨
①常用漢字でないもの(固有名詞は対象外)
(例)飴→あめ 繋ぐ→つなぐ 馴れる→なれる 捧げる→ささげる

②補助動詞・補助形容詞
(例)~(し)て行く→ていく ~(し)て頂く→ていただく ~(し)て下さる→てくださる

③接続詞
(例)且つ→かつ 従って→したがって 但し→ただし 又→また 尚→なお

※文章の内容によっては漢字が推奨されている接続詞もあります。
(例)及び 並びに 又は 若しくは

④助詞
(例)位→くらい 程→ほど 等→など(「等」は「とう」と読むときに用いる。)

漢字推奨
①副詞は漢字で書く
(例)余りに 恐らく 既に 更に 例えば 一旦 全く


今回ご紹介したものは一例で、必ずそうでなくてはならないというわけではありません。
一般的に一つの文章の中で「漢字30%:ひらがな70%」の割合が読みやすい文章と言われています。

使い分けを意識することで、読み手にとって読みやすい、伝わりやすい文章を目指してみてはいかがでしょうか。

出典
公用文作成の考え方(建議) (付)「公用文作成の考え方(文化審議会建議)」解説
公⽤⽂における漢字使⽤等について

英語の箇条書きをマスターする

プレインランゲージに役立つ箇条書きの特徴と仕組み

プレインランゲージでは箇条書きを使うことが推奨されています。箇条書きは言いたいことを読者に、より短時間で明確に理解してもらうためにとても役立つスタイルです。IR文書では、多忙な投資家に文書を読み続けてもらうためのポイントになります。

英語が母国語ではない方からすると、箇条書きが使えると思うとほっとすると同時に、ルールがわからずに混乱することも多いのではないでしょうか。書かなければいけない単語数が少なくて済む点は素晴らしいですが、箇条書きには主語と動詞に関する基本的なルールがあります。今回はシンプルな日本語で、英語での箇条書きの特徴と仕組みを紹介します。

箇条書きの何が良いのか?

オーストラリアのプレインランゲージの専門家であるアンドリュー・ペグラー氏が作成した例を見ていきましょう。リライト前の長い文を読まなくても、リライト後の箇条書きを読むだけで

  • 端的である
  • 整理されている
  • 流し読みしやすい

などの点に気が付くのではないでしょうか。

箇条書きの構成のポイント

この例から読み取ることができる、英語で箇条書きをする際の具体的なポイントを紹介します。ぜひ皆さまも英文作成の際に活用してみてください。

  • 並べられたすべての項目は互いに関係している
  • 短くまとめる(各項目は3行以内に収めましょう)
  • 並列させる項目には同じスタイルを使う
    • 基本は能動態または名詞の羅列にする
    • 能動態と受動態などの異なる構成を混在させない
  • 各ポイントの最初に重要な点を書く(流し読みしやすい箇条書きにする上で必須です)
  • 文章の場合は最後にピリオドを付ける(名詞の羅列などの場合は不要です)