オールキャップスを多用していませんか?

今回はキャピタライズシリーズ第2弾として、オールキャップス(全ての文字を大文字にすること)についてご説明します。

ネイティブスピーカーでない方が英語で文章を書く際、強調したい文章や単語を全て大文字で表記していることがあります。同様に、大文字表記が正式名称の企業名などを文章中でもそのまま表記しているケースも数多く見られます。(企業名のキャピタライズルールについては、前回の記事をご覧ください。)

実は、不用意にオールキャップスを使用することは推奨できません。その理由は大きく2つあります。

一つ目は、語気が強く感じられるためです。
オールキャップスで書かれている文章は「うるさい文章」とされており、会話に例えると叫んでいるような印象になります。そのため、読み手にとってはどこか怒っているように感じられてしまい、意図せず読者を不愉快にさせてしまう可能性があります。

二つ目は、文章が読みづらくなるためです。
アメリカの学者の研究で、全て大文字で書かれた文章は頭文字のみ大文字の文章と比べて読む速度を著しく遅らせることがわかっています。
また全文を大文字で表記していない場合でも、文章中に登場する企業名や地名、人名などをオールキャップスにすると、ネイティブにとっては単語が急に不自然に強調されているように感じられ、読みづらいと思われることが多いです。

このように不必要なオールキャップスは避けるべきですが、逆に使用すべき場面もあります。それは、頭字語の場合です。
頭字語とは、複数の単語のまとまりを頭文字だけに省略した言葉のことです(例:METI [Ministry of Economy, Trade and Industry])。このような言葉は全て大文字で表記することが一般的です。逆を言うと、頭字語でないのにオールキャップスにしていると、何らかの略称と誤解されてしまうこともあります。

適切なキャピタライズルールを覚え、ネイティブにとって自然で読みやすい英文を実現しましょう。