今回は、JPELCのオピニオンページで最も読まれている記事の一つである内田一成教授のコラムをご紹介します。日本のビジネスではよく使う「持ち帰って検討します」という表現はグローバルな場では嫌われる一言だそうです。
ぜひ下記よりご覧ください。
Quality is our policy.
今回は、JPELCのオピニオンページで最も読まれている記事の一つである内田一成教授のコラムをご紹介します。日本のビジネスではよく使う「持ち帰って検討します」という表現はグローバルな場では嫌われる一言だそうです。
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グローバル企業がロシアでの事業を中止するというニュースを多く耳にするようになりました。企業の売上や利益に大きな影響を与える決定が、驚きのスピードで下されています。
企業が「外交政策」的な意思決定を行う時代の本格的な幕開けです。
行動をしないことがリスクに
ロシアでの事業を中止すれば、売上を失い、事務所や工場を閉鎖するためのコストも発生します。短期的には損失が大きなことは明らかです。それでも、何も行動を起こさない場合のリスクが大きいと判断され、事業の撤退が進んでいます。その大きな要因のひとつが消費者によるプレッシャーです。
ウクライナ情勢に関して行われた調査では、「ロシアでの事業を継続するべき」、「特に対応を取る必要はない」と考えているアメリカ人はわずか4%でした。ソーシャルメディアでは、自社の立場や意見を明らかにしない企業に対して、多くの批判が寄せられています。
企業哲学と行動を一致させる~マクドナルド社の場合~
今回のような状況では、意思決定のプロセスを開示し、良い面と悪い面の両方を伝えることが重要です。
例えば、マクドナルド社は、プレスリリースを通して事業撤退に至るまでの意思決定プロセスを公表し、自らのジレンマを明らかにしています。
また、企業哲学を意思決定のプロセスに結び付けることも大切です。掲げている哲学に見合った行動をとらないと、批判や顧客・従業員間の不満が生まれます。
マクドナルド社の場合は今回の決断を自社のコアバリュー「Doing the Right Thing(正しいことをする)」に結びつけています。
3つのポイントを押さえた意思決定をする
今回のような迅速で難しい意思決定を求められる状況で、明確なコミュニケーションを実現するためには、次の3つのステップが役立ちます。
1)ステークホルダーが何を望んでいるかを理解します。アンケートやフィードバックなど、開かれたコミュニケーションを促します。
2)行動にイノベーションを加えます。例えば今回の状況では、ロシアでの事業を中止するだけではなく、従業員や顧客が人道的な活動の一旦を担うことができる工夫をします。ブランドの影響力を高めたり、大きな信用を得るチャンスでもあります。
3)行動を共有します。ウェブサイトにとどまらず、ソーシャルメディア、イントラネット、小売店なども活用してステークホルダーとコミュニケーションをとります。