ポストコロナのESG
ダイバーシティ&インクルージョンの時代へ

ESGが企業としての成功に大切であるという考え方は広く浸透しています。現在、S&P 500社の90%がアニュアルレポートなどでESGを重点的に報告しています。

ESGのなかでも今欧米で特に注目され、今後さらにその重要度を増してくると考えられているのがS(社会)に含まれる、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)やDEI(ダイバーシティ、イコーリティー、インクルージョン)です。

新しいコンセプトを理解するための問い

ダイバーシティ、イコーリティー、インクルージョンは、簡単に説明できるコンセプトではありません。正確に伝えることができる日本語が存在しないため、翻訳する際にはカタカナで翻訳し注釈をつける方法が使われています。

この新しいコンセプトを理解するためには、次のような問いを立ててみることをお勧めします。

ダイバーシティを知るためには、「この部屋には誰がいますか?」という問いを立てます。様々なアイデンティティをもった異なる属性を代表する人が共存していることを大切にします。

イコーリティーを知るためには、「この部屋に入りたくても入れない人は誰ですか?」という問いを立てます。公正な扱い、機会の平等、リソースへの平等なアクセスなどを大切にします。

インクルージョンを知るためには、「全員の意見に耳を傾けましたか?」という問いを立てます。参加や貢献をしたすべての人に対して能動的に耳を傾けることを大切にします。

仕事に対する新しい考え方が根底に

D&IやDEIの根底に流れる考え方は、ひとりの人間としてアイデンティティを仕事に持ち込むことができるというものです。長い間、仕事ではプライベートのことは口にしなかったり、プロとしての自分以外は秘密にするスタイルが一般的でした。しかし、新しい考え方が台頭してきています。それは、全員が自分が受け入れられていると感じることができる環境で、人間として成長しながら関係を築くことが個人そして企業の成功には必要不可欠であるという考え方です。

この考え方はパンデミックを通じてその存在感を増してきています。

2010年代のテーマが気候変動であったように、2020年代のテーマはD&IやDEIになるであろうと考えられています。

意外と知らない欧文組版

統合報告書などの英語版制作のお問い合わせが近年増えてきています。
英語版制作で意識したい組版についてご紹介します。

組版とは、印刷の一工程で、文字や図版などの要素を配置し、紙面を構成することです。欧文組版では、アメリカ英語はシカゴルールに、イギリス英語はオックスフォードルールに従うのが一般的です。

和文からミラー版で英語版を制作する際によく使ってしまうのが丸数字(①など)です。これは全角文字で、日本特有の表記となりますので、英文では使用しません。
①は1.、(1)、1)などの表記に置き換えるようにしましょう。

レイアウトの形式は主に2種類、箱組(両端揃え)と頭揃え(左揃え)があります。
日本語では各行の左右が揃い、見栄えがよくなる箱組のレイアウトを使いますが、英文読者にとっては頭揃えのレイアウトの方が読みやすくなります。英文で箱組を使用すると、単語と単語の間が広くあいてしまったり、逆に狭くなったりします。英文読者は単語単位で内容を認識するため、単語間のスペースが統一される頭揃えの方がストレスなく読み進めることができます。

今回ご紹介したのは欧文組版の一例となりますが、このようなルールを意識して英語版を制作されることをお勧めいたします。

3分でわかる!プレイン・イングリッシュ
~対象読者を明確にする

プレイン・イングリッシュを書くためのガイドラインをご存じですか。そのうちの1つは、「プレイン・イングリッシュを書く前にまず読者を想定する」です。読者の情報を整理するためのポイントも合わせてYouTubeにてご紹介します。

ぜひ下記よりご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=BUTmHcMH5Gc&t=19s