プレイン・イングリッシュは、数年前には想像できなかった速さで
IRの世界に浸透しています。この背景には、投資家が財務報告書に
求めることが変わったことや、規制の変化があります。
数字だけではなく、その背景や計算方法を財務諸表上で
説明することが求められるようになったのです。
説明内容は得てして複雑で、表現する言葉も冗長になりがちです。
そんな内容を読者に伝わるように発信するには、
プレイン・イングリッシュを使って
わかりやすく表現することが必要不可欠です。
ここ数年、日本の会計原則でもキャッシュフロー計算書の
提出が義務付けられ、年金などのより複雑な勘定科目の
掲載も義務付けられるようになりました。
開示が進化し、複雑な事実に対する透明性が
より求められるようになったことで、開示内容に関する
説明やコメントを付け足す必要性も上がってきました。
このような背景の中、企業が数字を開示すれば投資家が
満足していたのは過去となり、今の投資家を満足させるには、
数字の背景となるストーリー、つまり、
開示している結果に至った理由を説明することが
求められるようになりました。
このニーズが生まれた背景には、
企業スキャンダルや、複雑な会計基準、企業が
運営する環境から生まれる外部リスクなどが
原因として考えられます。
さらに、財務指標が過去の状態を表す指標であると
認識されるようになり、投資家は将来を
予測するにあたり必要な、この先の業績を予測することが
できる指標を求めるようになりました。
そのため、非財務指標が活用されるようになってきています。
例えば、顧客満足率が下降傾向にあれば、
今までと同様の売上成長や利益率を維持することは
できなくなることが予測できます。
もし現実に未来の業績が危ぶまれるような状況に陥った場合に
大切になるのがコミュニケーションです。
企業が結果を受け止め、真摯な議論を行い、
その結果を開示することで、投資家が保有株式を
処分する可能性は少なくなります。
投資家の行動は開示される議論の内容によって、
変化するのです。
業績の背景にあるストーリーや理由、
非財務指標に関する議論の内容などを
世界の投資家に向けて発信するために
日本語から英語に翻訳する場合は、翻訳の質が
投資家に与える印象を大きく作用します。
このような状況でプレイン・イングリッシュが
非常に大切になります。